日本とアメリカにおける、大学院進学という選択肢への捉え方の違い

2014.7. 4  12759Views

皆さんは大学院進学に対してどのような印象をお持ちでしょうか?

大学卒業後、自分の専門分野をより深く学ぶために大学院進学を選ぶ方もいますし、就職の道を進まれる方もいます。

今回は日本とアメリカにおける"大学院進学"への捉え方の違いについて、3つのポイントでご紹介します。

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1. 大学院進学率



アメリカの大学院進学率(人口千人当たりに対して9人)は日本(人口千人当たりに対して2人)の4.5倍です。
これはアメリカの大学進学率(74%)が日本(51%)の約1.5倍であり(『大学進学率の国際比較(文部科学省)』より)、アメリカでは学部卒が就職においてあまり差にならないこと、企業側が専門性のある学生を求めているという2点が挙げられる。


※アメリカでは大学は教養を学ぶ場であり、専門教育は大学院で行うと考えられています。
例えば医者や弁護士になるためのMedical SchoolやLaw Schoolは大学院から始まります。


●参考記事:『我が大学•大学院の現状(経済産業省)



2.日本における学部卒の優位性



日本において、学部卒と院卒の間に明確な差はあまり感じられません。


『初任給水準-全産業-』2012年3月卒「新規学卒者決定初任給調査結果」(一般社団法人日本経済団体連合会)


上記を見ると、学部卒と比較して、院卒は1割増になります。
これはアメリカとは違い、日本では"ポテンシャル採用"が一般的であり、学生の専門性ではなくコミュニケーション能力等を重視するためであると考えられます。


一方アメリカでは、学部卒と院卒では明確な給与格差が存在します。
アメリカ労働統計局のデータによると、学部卒に平均給料が$55,432に対して院卒は$67,600と約2倍の差があることが分かりました。
これは学部卒と院卒では年120万円近い差がつくことになります。
これはアメリカが"即戦力採用"が一般的であり、学生の専門性を非常に評価するためであると考えられます。



3.大学院の平均年齢


諸外国と比較すると、日本の大学・大学院の平均年齢が非常に低いことに気づきます。
日本の25歳以上の大学入学者の割合は1.7%と非常に低いです。
これは日本において社会人になってから大学に進学することが非常に困難であるということを示しています。

一方アメリカは25歳以上の大学入学者の割合が20.9%と5人に1人が25歳以上ということになります。
当然これは大学院の平均年齢においても同じことが言えて、アメリカの大学院の平均年齢は32.5歳です(『これがアメリカの大学院(栄陽子留学研究所HP)』より)。

日本と比較してアメリカの大学・大学院は学生だけじゃなく、社会に開かれていると言えるでしょう。



さいごに


いかがだったでしょうか?


アメリカでは"大学院進学"を重要な選択肢の1つとして学生だけでなく、社会人にも広く受け入れられています。
ですので、学生は就活を選択肢の1つとして捉えられるので、様々な可能性を探りながら就活に臨めるのです。


もし今就活に行き詰まったりしているのでしたら、"大学院進学"を選択肢の1つとして持ってみるのもいいのかもしれません。


(ライター:Yuki)