作品の中に仕事を見る!社会と会社を理解しよう

皆さん、こんにちは。常見陽平です




作品の中で仕事は、どう描かれるか?






女子大で非常勤講師をしています。
先日、出したレポート課題のうちの1つは、次のようなものでした。


「小説、漫画、映画、アニメなどの作品において、働く女性はどのように描かれているか?その時代背景、社会状況などに触れつつ論じなさい」


みんな、熱心に書いてきて嬉しい限りです。どれも読み応えのある答案でした。
ちなみに、みんなが最も取り上げた作品は『プラダを着た悪魔』でした。


作品というのは、フィクションでありつつも、時代背景や社会状況が反映されているものです。
人々の願望や怒りが表現されていることも。
もちろん、現実とはずれている部分、ディフォルメされている部分もあるわけですが、そのように描かれていること自体にも意図があるわけです。
時代や、そこでの働く人、その価値観などを読み解くヒントにはなるでしょう。


いま、観ているドラマや映画、ハマっている漫画などで働く人がどう描かれているか、その背景、意図は何かを考えてみると、社会と会社への理解が高まることでしょう。




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島耕作はなぜ、愛されるのか?






ちなみに、仕事、働く人を描いた作品はたくさんありますが、私が圧倒的におすすめするのは、島耕作シリーズですね。






課長から始まり、現在は社長です。
並行してヤング編も不定期に連載されていますね。
まさにサラリーマン漫画の金字塔であり、不朽の名作だと私は評価しています。


なんせ、著者である弘兼憲史さんのサラリーマン経験と、その後の熱心な取材活動により、かなりリアルにサラリーマンが描かれています。
組織の中で生きる美学、徐々にリーダーシップに目指していく姿などが共感を呼んでいます。


まぁ、あんなに女性にモテるのは反則ですが、これもまた、サラリーマンたちの願望が投影されていると言えるでしょう。


ちょうど課長編は、バブル期に書かれており、その後、部長、取締役、常務、専務、社長と出世する過程はまさに日本経済の変化を描いていて興味深いですよ。
関わっているビジネスも多様で、まるで業界見学している気分になります。


サラリーマン漫画に限らず、夏休みは仕事を描いた作品を楽しんでみてはいかがですか?


ちなみに、サラリーマン漫画批評としては『サラリーマン漫画の戦後史 (新書y) 』が抜群に優れています。
サラリーマンの今後を考える上でも示唆に富んでいます。
こちらもぜひ、手にとってみてくださいね。