エントリーシートで使える、「プロの企画書を読む」という就活の近道
皆さん、こんにちは。常見陽平です。
企画提案型ESを学生が書けないのはなぜか?
「○○という商品の売上を二倍にする企画を考えてください」
「学生向けに大ヒットする商品の企画を考えてください」
ESでこんな設問を見たことがありませんか?
毎年、ESの設問を調べているのですけど、マーケティングプランや商品企画の提案を求めるものをよく見かけます。
いかにも企画提案をする機会が多そうなマスコミ、広告代理店、消費財メーカー、エンタメ企業などはもちろん、実に幅広い業界で出されるものです。
これに対する学生の回答ですが、申し訳ないですが、企画として成立しているものを見かけたことがありません。
もちろん、応募のハードルを上げるためもあり、ESの難問化、奇問化は問題となっていますし、短期間で仕上げなければならないので学生はかわいそうだと言えるでしょう。
商学部や経営学部の学生のようにマーケティングの基礎知識がない場合、不利だとも言えます。
とはいえ、評価する側の本音としては「それは、前提」というわけですが。
学生のエントリーシートで多いパターンは、「アンパンマンをイメージキャラクターに使って仕掛ける」「AKB48を起用したキャンペーンを行う」など、有名人を使って何かやるというパターンです。
たしかに、アンパンマンやAKB48を起用するのは面白いのですが、「それでどうなるの?」という視点が抜けています。
これらのキャラクターや有名人を使うことで、どんなターゲットにどう響くのかを考えなくては意味がありません。
もちろん、コストだってかかりますし、交渉の難易度も高いです。
同じく、「ソーシャルメディアを使って仕掛ける」というものもよく見かけますね。
まぁ、これは社会人のソーシャルメディアでの発言を見てもそうですが、各論がおさえられておらず、言いっ放しになっているものも。
どう活用するかを考えなくてはまったく意味がありません。
ターゲットやニーズがざっくりしているものもよく見かけますね。
「20代の女性向けに、おしゃれをテーマにしたキャンペーンを行う」などと言うものです。
これは激甘企画書ですね。
いや、社会人でもやってしまうのですよ。
企画セクションに配属になった新人が毎年、先輩から食らう説教があります。
それは「20代の女性なんて、いない」ということです。
年齢が1つ違うだけで、かつ何をしている人なのか、どこに住んでいるのか、年収はいくらくらいなのか、パートナーはいるのかなどによって、まったく行動パターンが違います。
ここであげたようなことは、別に学生のESだけではありません。
社会人が書く企画書もひどいものだらけです。
私も何度か絶句したことがあります。
世の中は実にいい加減な企画があふれています。
それだけに、ポイントをおさえた上で「これは面白い」と思う企画を立てるだけで目立ってしまうのですが。
意外に簡単に読める、プロの企画書
では、どうすればいいのでしょうか。
手軽な解決策をお伝えします。
それは、プロの企画書を読んでみるということです。
「そんなもの、読めるの?」
という声もあることでしょう。
えぇ、読めるのです。『宣伝会議 』『販促会議』などのマーケティング専門誌、『日経ビジネスアソシエ』『THE21』などのビジネススキルアップ系雑誌などには、プロの企画書事例が掲載されているのですね。
例えば、ネット上だと次のようなものがあります。
◆ネットで見れるすごい企画書(naverまとめ)
◆2011年第3回 販促会議賞
ビジネス書でもヒット商品の企画書を紹介したものはよくあります。
もちろん、中には機密事項もありますから、重要な部分は隠されていることもありますが。
これは、エントリーシートの参考にするだけでなく、プロたちがどのように企画を立てているか、マーケティングプランを考えているかなどを知る上でも有効です。
ちなみに、プロの企画書はスタイリッシュで、ついついそのスタイルを真似したくなるものですが、大事なのはやはり中身なのですね。
よい企画書は次のような点を満たしています。
1.コンセプトや提供価値が一言で言えるくらいわかりやすい
2.顧客が明確
3.どこで売るのかがデザインされている
4.根拠が明確
5.「これはやるべき!」と読んでいるだけで味方になってしまう
ちなみに、人材関連の人と思われがちな私ですが、20代はプロモーションやPRの企画をずっと作り続けてきました。
営業担当として企画書を毎日のように書いていた時代もあります。
現在は採用プランを書くことや、書籍の企画書を作る機会が多いですね。
数々の失敗を経て学んだことは、やはり提供価値がわかりやすいということです。
シンプルなものがいいですね。
ただ、シンプルというのは、考え抜いた上でのものでなければなりませんが。
学生や若手社会人の企画書を見ると、見栄えがよいものの、おさえる部分がおさえられていないなと残念な気分になることがよくあります。
まずは、プロの企画書から学びましょう。