業界・企業説明は志望動機ではありません
こんにちは、常見陽平です。
「貴社は、食を通じて人々の生活に役立っています。
貴社に入社し、営業担当者として、日本の食生活を豊かにしたいです」
食品メーカーを受ける人によくありがちな志望動機です。
申し訳ないですが、まるで説得力がありませんね。
誰でも言えますね、これ。自分の言葉になっていませんね。
食品もその中でビール、清涼飲料水、お菓子、調味料などカテゴリーが分かれるわけですが、どの企業でも言えそうですね、これは。
しかも、すべての企業に落ちてしまいそうな志望動機です。
意地悪な言い方をすれば「食品業界なら、どこでもいいのです。拾ってください」
と言っているようなものです。
昔、お笑い芸人ヒロシのネタで、
「ヒロシです。誰でもいいから彼氏が欲しいと言っている女性にふられたとです」
というのがありましたが、これに通じるものがあります。
気づけば、ヒロシ同様、あなたの存在も多数のエントリー者の中で埋没してしまいそうです。
まともな志望動機は1割程度...?
たくさんのエントリーシートを読み、面接をしてきたわけですが、「志望動機」をまともに書ける人、言える人はなかなかいません。
エントリーシートを読んでいて、志望動機の要件を満たしているのは約2割。
説得力があるなと思うのはその半分です。
つまり、まともな志望動機を書けているのは1割くらいだということになります(乱暴な試算ですが)。
業界・企業説明になっていないか
志望動機は、あなたと私(企業)が一緒に働くとお互いにハッピーになる理由だと思います。
この例で言うと、「漠然とした片想い」と「漠然とした、仕事を通じた社会貢献」しか書かれていませんね。
さらには、「業界内の企業ならどこでもいいもの」になっていますね。
これでは意味がありません。
業界・企業説明は志望動機ではないのです。
志望動機を書くために意識したいこと
「その企業ならでは」の志望動機を書くために、ぜひ意識したいのは、その企業の「強み」と「求める人物像」です。
「強み」については、業界内の競合他社と比較しての独自性・優位性がポイントとなります。
「求める人物像」は、求人広告に書いてあることだけでなく、
「どんな社員が活躍しているのか?」
「これから、どんな社員が必要だと思うか?」
という視点で考えてみてください。
もちろん、「強み」にしろ「求める人物像」にしろ、OB・OGに会って「取材」を行い考えた方がいいに決まっています。
さらに、「この会社が好きだ」だけではなく、「この会社で活躍したい(できる)、成長したい(できる)」ということが伝わると良いですね。
さいごに
業界・企業説明を書いただけの志望動機は、路上で声をかけまくるナンパに限りなく近いです。
いつの間にか、「モテない人」、いや「愛されない人」にならないないように気をつけましょう。