就活は、まだまだこれから!大学にくる秘密の求人に注目せよ

2013.6.28  2157Views

皆さん、こんにちは。常見陽平です。
 
a1180_001981.jpg
 
 

就職内定率は回復中?


本日の日経にも掲載されましたが...。
6月27日に、リクルートキャリアが『大学生の就職内定状況調査(2014年卒)』の6月1日時点でのデータを公開しました。
詳しいデータはリンク先を見て頂きたいのですが...。
 
この調査によると、6月1日時点での就職志望者のうち、大学生全体の就職内定率は53.4%で、前月の39.3%に比べて14.1ポイント高く、前年同月の48.0%に比べて5.4ポイント高くなっています。
文理別にみると、文系51.0%、理系58.7%、男女別にみると男性55.8%、女性50.5%、地域別にみると関東55.3%、中部48.8%、近畿54.9%、その他地域・計51.4%となっております。
今年は、内定出しの時期がやや早いこともあるものの、内定状況は回復傾向が見られると言っていいでしょう。
 
実際、各大学のキャリアセンターにお邪魔していてもそう感じます。
 
特に、中堅クラスの大学で回復しているなと感じます。
単に率だけでなく、内定先の銘柄も変化していると感じました。
ずばり、中堅大学から大手に決まっているな、と。
 
リクルートワークス研究所が発表した2014年度新卒の求人倍率は1.28倍で昨年とほぼ変わりませんでしたが、この数字よりも実際は大きく回復しそうな予感です。
00年代半ばに就職氷河期を脱して売り手市場化した頃ほど劇的に回復はしていませんが、回復傾向であることは間違いないようです。
 
 

就活はこれからが本番


 
就職内定率回復の報道を聞くと、まだ内定が出ていない方は焦ることでしょう。
特に、志望度が高い企業に落ちてしまった人などは、特に行きたい企業もない中、もやもやした心境の中、就活を続けている人も多いことでしょう。
 
でも、ちょっと待ってください。落ち着いて考えましょう。
就活はまだまだこれからなのです。
 
たしかに、毎年、大手が内定を出すのは4月、5月なのですが、世の中全体の就活はまだまだこれからが本番です。
 
さらに、ここで注目したいのは...。
 
就職内定率が回復しているときに、どんなことが起こるのかということです。
それは、内定辞退もまた増えるのですね。そもそも、募集人数に対して採りきれていないという企業も。
大学のキャリアセンターに足を運んでみましょう。
大学限定で、大手企業からの追加求人がきているのですよね。
 
私、一橋大学の院生なのですが、学内を観察してみると、2014年卒向けの会社説明会が追加開催されています。
しかも、参画している企業が銘柄大手中心で「この企業がまだ採用活動をしていたのか」と驚くわけです。
最近では、メガバンクからすら追加募集がきていましたよ。
 
また、いままで夏採用を行なっていなかった企業がこれに力を入れていたりもします。
留学帰りの人だけでなく、少しスタートが遅かった人などを獲得するためですね。
人材の多様性を実現しようとしているともいえます。
まあ、何より、採りきれていないからなのですけど。
これらの告知は大学に個別にくる他、ホームページなどにも掲載されています。チェックしてみましょう。
 
未内定者の皆さん、というわけで、就活はまだまだこれからです。
まずは、キャリアセンターに足を運んでみますかね。
 

執筆者プロフィール

常見陽平

常見陽平

評論家
北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。
リクルート、玩具メーカー、クオリティ・オブ・ライフ(現在:フェロー)を経てフリーに。
雇用・労働、キャリア、若者論などをテーマに執筆、講演に没頭中。
2015年4月 千葉商科大学に新設された国際教養学部の専任講師に就任。
著書多数。