ありがち質問から考える、就活初期段階の学生が陥りがちなこと

2012.12.14  3455Views

皆さん、こんにちは。常見陽平です。


毎年、質問がほぼ一緒という、就活の現実




就活解禁から2週間です。皆さん、どうですか?


私は院生でもあるわけですが、キャンパスにリクルートスーツ姿の学生が増えましたね。
同様に、大学講師もしているわけですが、今日、3年生向けのクラスに入ったら、教室に入って「黒い!」と感じ、びっくり。
そう、みんな、髪が黒くなっていて、リクルートスーツなのですね...。


さて、私、社会人16年目に入るわけで、その間は採用担当をしていた時期もありますし、そうじゃない頃も毎年、OB訪問を受けてきたわけですけど...。


就活初期段階の学生が質問してくる内容は、ほぼ毎年、一緒なのですね。


質問自体がよく考えれば、あまり意味のないものだったりするわけですね。
これは就活の構造的問題だと言えるでしょう。なんせ、初めてですから。
もっとも、これが中途採用になったら劇的に解決されるかというと、そうでもないことも指摘しておきます。


まあ、疑問を抱いたまま、あるいは誤解したまま、就活を続けるのは危険ですから、質問はするべきですし、そうじゃなくてもちゃんと調べるべきなんですけどね。


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気をつけたい疑問、質問はこれだ




ここで、初期段階の就活生が毎年、抱く疑問、よくする質問と、そのワナについてご紹介しましょう。


別にその疑問、質問がダメだと言っているわけではなく、聞き方や、かえってくる答の解釈に気をつけるべきでしょう。




Q.◯◯という制度はありますか?


特にワーク・ライフ・バランス系の質問に多いですね。
制度は、あるかどうかではなく、活用されているかどうかが大事です。


また、その制度はなぜ作られたのかも注目するべきでしょう。




Q.働きやすい職場ですか?


働きやすさを自分なりに定義して、各論で質問した方がいいと思います。


主に、女性の結婚、出産、育児と仕事との両立を指しているかと思いますが。


●参考記事:まず、「この企業はいい会社ですか?」と聞くのをやめよう






Q.配属の希望はどれくらい通りますか?


気持ちはよく分かりますが、配属の仕組みについて聞いた方が効果的です。


もちろん、配属が約束される制度、職種があったりもしますが。


●参考記事:希望通りの配属を実現するための技ってあるの?




Q.こんな新規事業をやりたいのですけど...。


熱意も伝わるわけですけど、やりたい新規事業があるなら、それについて調べてから聞くべきですね。


「こんな新規事業を提案したいんです!」とアピール、質問したときに、すでに実施されていたり、その分野に詳しくないことがバレたらちょっと恥ずかしいですね。


●参考記事:新規事業に新商品、新しい挑戦は楽じゃない




Q.◯◯という商品が大好きなんですけど・・・


B to C企業を受ける人にありがちですが、ファン視点でのミーハー質問は、熱は伝わるものの、ビジネス視点がかけていると?ですね。


●参考記事:「貴社の商品が大好きです!」好き、入りたいだけでは志望動機にならない




Q.仕事は楽しいですか?(つらいですか?)


小学校の社会見学レベルの質問ですねえ。
「楽しい(つらい)と感じる瞬間はどんなときですか?」と聞くと、だいぶ変わります。




まぁ、このネタは何度も書いているのですけど。大人視点で考えてみましょう。


あと、質問された人がどう思うかとか。
どうやったら本当のことに辿り着けるか、と。
会社や仕事をイメージするための、適切な質問とは何か。考えてみあしょう。


執筆者プロフィール

常見陽平

常見陽平

評論家
北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。
リクルート、玩具メーカー、クオリティ・オブ・ライフ(現在:フェロー)を経てフリーに。
雇用・労働、キャリア、若者論などをテーマに執筆、講演に没頭中。
2015年4月 千葉商科大学に新設された国際教養学部の専任講師に就任。
著書多数。