希望通りの配属を実現するための技ってあるの?
2012.8. 3 42986Views
皆さん、こんにちは。常見陽平です。
希望どおりの配属をどう勝ち取るか?という不安
先日は未内定者向けの記事を書きましたが、今回はもう内々定を持っている人向けの記事を書きましょう。
内々定を持っている皆さんは社会人生活への期待と不安で胸がいっぱいのことでしょう。
そう、決して期待だけではないはずです。
不安の部分で言うならば、「希望通りの配属が通るかどうか」ということが気になっているのではないでしょうか?
そう、総合職で採用された場合、「どこに配属されるのか?」が必ずしも約束されているわけではないのですよね。
社会に出てからずっと、配属のドラマを見聞きしてきました。
よくあるのが、学生時代にイベント・サークルや、クリエイター活動、広告研究会などをやっていたいかにもクリエイティブ臭のする学生が、意外にも営業配属になったりするんですよね...。
また、学生時代からの恋人と熱愛中なのに地方勤務がいきなり決まるということも...。
総合職採用の場合、配属先を必ずしも選ぶことができないのは日本の新卒採用が批判されるポイントの1つではあります。
皆さんも、配属で悩んでいませんか?
配属ってどうやって決まるの?
では、配属はどうやって決まるのかについて、お伝えしましょう。
総合職採用を行なっている、ある程度の規模の企業の配属は主に次のような要素のせめぎあいで決まります。
まぁ、もちろん、企業の規模や方針により違うのですけどね。
ものをいうポイントは次のようなものです。
■選考時になんとなく決まる
選考をしている際に、「この人は営業タイプだな。○○部の営業部が合ってそうだな」など、なんとなくイメージします。
実はこの段階でなんとなく決まっていたりするのです。
■配属先のニーズ
実はこれが大きいです。
配属先の部門がどんなタイプの人材をどんな職種で何人ずつ欲しいかのオーダーを人事部に出します。
これがかなりものを言います。
学生が「どうしてもこの部署に行きたい」と思っていても、その部署での人材ニーズがなければ、その年の配属はありません。
また、成長著しい事業部、エリアなどにはその年、集中して配属されることも。
■人事部から見た適性
選考、配属面談、新人研修などで見る適性から、人事部が配属先を考えます。
ただ、前述した配属先のニーズがあるので、最後はここでせめぎあいがあります。
■本人の希望
選考時の意向、配属面談、配属希望アンケートなど、本人の希望ももちろん聴きます。
ただ、これがすべて通るわけではありません。
このような要素のせめぎあいによって、配属は決まっていきます。
希望通りの配属を実現するためには?
では、希望通りの配属を必ず実現する方法などはあるのでしょうか?
ここまで読んで分かるように、「必ず」実現するのは難易度が高いものです。
ただ、なんとか好転させるための技はなくはないです。
いくつかお伝えしましょう。
■選考でアピールする
もうすんでしまったことですが、ここでのアピールは検討材料にはなります。
ちなみに、意外に大事なのは...。
エントリーシートなんです。
配属、さらには入社して数年以内の異動の際には、これを人事だけでなく、配属先の事業部長、部門人事が読んだりするんですよね。
さわやかスポーツマンタイプはここで「こいつは営業でぜひ!」なんていうリクエストがくることも。
■事業部長にアピールする
内定者懇親会、内定式や入社式の後の懇親会などには事業部長クラスがやってくることも。
この際にアピールする手はあります。
ちなみに、入社後の異動も、部門の責任者の意向は強いので、
ゴマすりみたいであれですが、実際、これが物をいったりします。
■要望、事情を具体的に伝える
やりたいこと、実現したいことを選考、配属面談で具体的に伝えましょう。
ここで具体的に伝えると、第1希望ではないものの、やりたい要素がある事業部、職種への配属につながることも。
また、親の介護や結婚の予定など、事情がある場合はこれも具体的に伝えておきましょう。
■実績を作ってしまう
ややレアケースですが、入社後のビジネスにそのままつながりそうなことを学生時代からやってしまうという手もあります。
スマホのアプリ開発、SEO対策の技術開発などがそうですね。やや特殊ですが。
■新人研修で猛アピール
圧倒的成果を出して、アピールする手もあります。
一部、ややせこい話もありますが...。ご参考まで。
なお、本人のことを考えて敢えて最初は希望外の配属にすることもあることを覚えておきましょう。
また、入社してから、配属されてからがまさに大事です。
自分でどうやってキャリア形成をしていくのか、あるいは偶発的なことも含めて経験を積んでいくのか、ともに大事なポイントです。
万が一、希望外の配属になったときに、どうやって異動するかのノウハウもそのうちご紹介しましょう。
まぁ、学生生活最後の夏休みを満喫しつつ、まずは自分の会社ととりまく社会を理解することから始めますかね。
執筆者プロフィール
常見陽平@yoheitsunemi
評論家北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。
リクルート、玩具メーカー、クオリティ・オブ・ライフ(現在:フェロー)を経てフリーに。
雇用・労働、キャリア、若者論などをテーマに執筆、講演に没頭中。
2015年4月 千葉商科大学に新設された国際教養学部の専任講師に就任。
著書多数。