優等生が陥りがちな就活のワナ!内定式までに間に合う就活再起動法
2012.7.20 9875Views
皆さん、こんにちは。常見です。
なぜ「あの人」が、まだ就活が終わらないのか?
先日、実践女子大学の教え子から、相談のメールがきました。
「就活が上手くいっていない。相談にのって欲しいです」
さっそく、時間をつくって面談しました。
彼女は私が担当している必修のキャリア教育科目受講生で、大学2年生の頃から知っています。
非常に頑張り屋さんで、友達も多く、前のめりの学生生活を送っていました。
私のクラスの成績もトップクラス。
レポートなどもいちいち文章が完璧なのです。
そんな彼女ですが、まだ内定が出ずに就活中だという噂を聞き、私も心配になっていました。
でも、1時間面談して、課題がよく分かりました。
「頑張っているのに内定がでない」
「なんで、あの人に内定が出ないのだろう?」
多くの人に共通する課題なのではないかと感じました。
彼女の就活はこれまで上手くいっていなかったのか?まったくダメだったのか?
実はそんなことはありませんでした。
むしろ、エントリーシートはかなりの確率で通りますし、SPIなどで落とされることもあまりないようです。
面接も2次面接どころか、最終面接までいきます。
でも、内定に至らないのです。
なぜでしょうか?
履歴書を見て、話を聞いて、納得したのは...。
「彼女を採用する決め手がない」ことでした。
一見すると、彼女の履歴書は完璧です。
文字も綺麗を通り越して、しっかりしているという感じ。内容も具体的でした。
ただ...。
その企業に対する熱が感じられなかったのですね。
よく読むと志望動機に具体性と、熱がありませんでした。
他の部分もよくできているのですが、その企業を意識したものにはなっていませんでしたね。
実際、企業の人事からも「何がやりたいのかわからない」「本気かどうかがわからない」というコメントをもらっていたそうです。
もちろん、彼女だけが悪いわけではありません。
彼女が受けている企業は準大手クラス、大企業の関連会社などが多く、20名くらい採用するわけですが、総合職採用と言いつつ、明らかにその年ごとの採用テーマが裏でありそうな様子でした。
これくらいの規模、人数の採用では「総合職採用」と言いつつ、営業は○人、管理部門は○人というように裏テーマを設けたりしているものです。
その枠に上手く合致しなかったということも考えられますね(これは、さすがにほぼ対策のしようもないのですが...)。
さらに採用は、最初の段階は迷ったら通し、最終段階では迷ったら落とすのですよね。
やはり、決め手がなかったのだと言えるでしょう。
このように、善戦していても、決め手がなくて落ちる学生は毎年いるものです。
あなたも、同じような状態になっていませんか?
内定式に間に合うために、未内定者が今からやるべきこと
では、どうすればいいでしょうか?
頑張っているけど内定が出ない人が、今すぐ取り組むべきことをお伝えします。
より詳しくは・・・「困ったときに本当に使える 就活のヒント100 」(マガジンハウス)をご覧ください。
1.課題を明らかにする
自分の就活の何が問題なのかを明らかにしましょう。
この際は、自分だけで悩まず、家族、友人、キャリアセンター職員などに話を聞いてみるといいでしょう。
2.課題を克服する(あるいは逃げる)
課題となっていることを具体的につぶしていきましょう。
または...。
その課題から逃げてしまうとい手もあります。例えば、SPIが苦手なら、それを課さない企業を中心に受けるという手も。
3.丁寧に受ける
内定が出ないと、焦ってしまい、一社一社が雑になりがちです。
丁寧にいきましょう。
特に志望動機などが一般論にならないように...。
4.求人を常に開拓し、週3社受ける
就職ナビにもまだ募集中の企業がありますが、キャリアセンターにくるスポットの求人も大事にしていきましょう。
大手の追加募集などが、自分の大学だけにこっそりくることも。
5.休みつつ、あきらめずに続ける
何しろ、心身の健康が大事です。ちゃんと休むことを意識しましょう。
暑い日々が続いていますし。
一方で、応募しなければ内定が出ません。
働きたいという気持ちを忘れずに続けましょう。
毎年、この時期に未内定で悩んでいる学生と会いますが、5つの点を意識すると、多くの場合は結果につながっています。
あきらめずにいきましょう。
応援しております。
執筆者プロフィール
常見陽平@yoheitsunemi
評論家北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。
リクルート、玩具メーカー、クオリティ・オブ・ライフ(現在:フェロー)を経てフリーに。
雇用・労働、キャリア、若者論などをテーマに執筆、講演に没頭中。
2015年4月 千葉商科大学に新設された国際教養学部の専任講師に就任。
著書多数。