インターン今昔物語!夏にインターンへ行っとくべきなの?

2012.6.29  2056Views

みなさん、こんにちは。常見陽平です。


夏休みが迫ってきました。早いものですね。


夏休みといえば、インターンシップです。
大学の教え子たちからも「インターンシップに行くべきか?」とよく質問されます。


いまどきのインターンシップってどうなのよ?ということについて考えてみましょう。





私が人事だった頃 インターンはお祭りだった




おじさんの昔話で恐縮ですが...。
以前のエントリーで紹介したように、明らかに本来の業務とかけ離れたインターンや、インターンという名の搾取などの問題が相変わらず起こっているものの、私が採用担当者をしていた00年代半ば~後半と比べると、それでもインターンシップに関する状況はまともになった方ではないかと感じます。


当時は今よりもずっと、インターンシップ=就活のスタートという色が強かったです。
6月からインターンシップの合同説明会が始まり、大会場が学生たちでいっぱいになっていました。
各社のプレゼンテーションも、インターンシップの説明というよりも、会社説明会に近い感じでした。
インターンシップの中身も1DAYインターンシップという、セミナーに近いものが増えていたのもこの時期です。


インターンシップと言いつつ、通常の業務とかけ離れたものも相変わらず多かったですねえ。
当時は、インターンシップをハシゴする学生をよく見かけたものです。
まあ、「就活が大変だ」という悲壮感というよりは、楽しいからやっているという雰囲気ではありましたけどね。


当時の私は、インターンシップのあり方について激しく疑問を抱いていました。
「これの、どこが、職場体験だ?」と。


ただ、女子大の非常勤講師になって考えが変わりました。
というのも、所詮仕事ごっこにすぎないものだろうとはいえ、企業や社会人との接点が生まれる点は意味があるのではないか、と。


最近は、倫理憲章の改訂にともない、5日以上の職場で仕事体験をするものがあるべき姿とされ、1DAYインターンシップなどは減る方向になりました。
以前のように、多くの学生がインターンシップに足を運び、踊らされるというものにもならなくなったな、と。


時代の雰囲気は00年前後に戻ったように感じられます。
学校経由のキャリア教育目的なものはともかく、企業が独自で募集するものについては、上位校の学生や、やりたい学生を中心としたものに回帰したな、と感じますね。


インターンシップもこのように、時代による変化があるわけです。はい。




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「行きたければ、行く。行くならマジでやる」結局、これ?




では、インターンシップは行くべきなのでしょうか?


「興味があって、時間があるなら行ってみても良いのでは?」


これが結論です。
まぁ、外資系企業などはこれが採用ルートの1つになっているので、志望者は毎年、力を入れるのですが。


プログラムは正直なところ、玉石混交ですが、会社を中から見ることができる、社会人と間近で会うことができるのは大きなメリットではあります。
玉石混交と書きましたが、最近は洗練されてきていますね。
「これは面白い」「これは成長できそう」というプログラムでなければ、優秀学生は集まらないと企業も考えているからです。


別に第一志望の企業ではなくても、プログラムを軸に考えてみるといいでしょうね。


あくまでこれは変わるキッカケであって自分の取り組み方次第です。


なお、別にインターンシップに参加しなかったからと言って、あるいはインターンシップの選考に落ちたからと言って、就活が劇的に不利になるわけではありません(まぁ、参加者は、会社の、社会の求める基準が分かるので、成長の速度は加速しますが これもプログラムと取り組み姿勢によりますけどね)。


むしろ、インターンシップや就活だけの夏にせず、楽しくいきましょう。


そうそう、この夏の計画、考えましたか?
私も着々と進行中です。基本、海外視察の他は、研究と執筆なのですが。








そしてお知らせです。
明日、インターンシップのイベントで講演します。
ここだけの話をしますよ。お楽しみに!


執筆者プロフィール

常見陽平

常見陽平

評論家
北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。
リクルート、玩具メーカー、クオリティ・オブ・ライフ(現在:フェロー)を経てフリーに。
雇用・労働、キャリア、若者論などをテーマに執筆、講演に没頭中。
2015年4月 千葉商科大学に新設された国際教養学部の専任講師に就任。
著書多数。