就活に役立つ本は大学生協に聞け!日本一学生を育てる書店の売り場作り
2011.8.24 3104Views
「日本一大学生を育てる書店」にお邪魔してきました
こんにちは、常見陽平です。
日本一学生を育てる書店とは...?
いつもお世話になっている早稲田大学生協の書籍売り場にお邪魔しました。
私はここの書店売り場は「日本一学生を育てる書店」なのではないかと、評価しています。
とにかく品揃えが豊富。
それだけでなく、何より「この本を学生に読ませたい」という想いが感じられます。
だから、プッシュされている本は必ずしも、一般の書店で売れているものとは限りません。
そして、一緒に読むべき本もさりげなく近くに置いてあることもポイントです。
ちなみに、私がお邪魔した日は早稲田の現役学生が書いた本、
『前へ ! 前へ ! 前へ ! ― 足立区の落ちこぼれが、バングラデシュでおこした奇跡。 ― 』(木楽舎)がプッシュされていました。
私も購入しました。
まだ読んでいないのですが、足立区出身の落ちこぼれがバングラデシュで起こした奇跡をまとめた本だそうです。
表紙からも文からも若い衝動が伝わってくる本です。皆さんもチェックしてみてくださいね。
就活に限らず、キャリア形成を応援する棚がとにかく充実しています。
そして、本の特徴、魅力をよく理解して陳列しているなと感じます。
売り場全体から愛が感じられます。
早稲田大学の書籍売り場は、出版社や著者からも愛されていて、手書きのPOPが多数並んでいることも特徴です。
そして著者による講演会なども多数開催されます。
私の講演会も何度も企画して頂いており、感謝しております。
学生と本を愛している大学生協
早稲田大学に限らず、生協の書籍担当の方とお会いする機会が多いのですが、皆さん、本当に学生と本を愛しているなと感じます。
相当、読み込んでいますね。
先日、お邪魔した弘前大学生協では、拙著『就活難民にならないための大学生活30のルール 』(主婦の友社)を熟読しているスタッフがいました。付箋がいっぱいなのです。
この本を元にして、大学生協として学生をどう応援するかを研究し、売り場作りや、応援企画の立案などを考えていました。
就活関連の本は、よく「マニュアル本」だと揶揄されます。
私もマニュアル本は嫌いですし、中には採用の実態と大きくかけ離れているものもあるのですが。
と言いつつ、何度か就職ガイド的な本は書きましたし、このサイトでもノウハウを書いたり、そういう内容のセミナーもやっています。
もちろん、私の考えを押し付けるつもりはまったくないのです。主張と押し付けは違いますしね。
自分が就活関連の本を書いているのは「面白い社会人を増やすため」に他なりません。
私は、哲学の本や、政治の本は書けません。
20代の頃はマーケターでしたが、マーケティングの本を読むことはあっても、書くことは一生ないでしょう。
就活本こそが、自分のできることなのです。
若者の本離れが指摘される中、いまや就活本は学生が初めて真剣に読む本である可能性もあるわけです、いや本当に。
昨年出した『くたばれ!就職氷河期 角川SSC新書 就活格差を乗り越えろ (角川SSC新書) 』(角川SSC新書)でも書いたとおり、
本来、良著を読めば就活本は要らないはずなのですが。
大学生協のスタッフは就活本を読み込み、いま学生に自信をもって紹介できるものは何かを考えています。
就活の、いや人生の相談ができるのは、別にキャリアセンターだけではありません。
どの大学生協にも温かいスタッフが揃っています。
大学生協は夏休みも時間や期間限定で開いています。
そこには、就活本に限らず、大学生がいま、読むべき本があります。
夏休みの予定が空いているアナタ、ふらりと大学生協に行って、スタッフに声をかけてみてください。
人生を変える本との出会いがあるかもしれませんよ。
執筆者プロフィール
常見陽平@yoheitsunemi
評論家北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。
リクルート、玩具メーカー、クオリティ・オブ・ライフ(現在:フェロー)を経てフリーに。
雇用・労働、キャリア、若者論などをテーマに執筆、講演に没頭中。
2015年4月 千葉商科大学に新設された国際教養学部の専任講師に就任。
著書多数。