「あなたは原発についてどう思いますか?」説得力のある時事問題の答え方
2011.4.15 9602Views
こんにちは、常見陽平です。
ある大学のキャリアセンターのスタッフは、
就活相談にくる学生に、この投げかけをすることにしているそうです。
「君、原発についてどう思う?」
いま、日本を、いや世界を震撼させている大問題ですね。
ある学生の答えはこうでした。
「由々しき問題であり、今すぐ脱・原発を目指すべきです」
「本当に、それでいいと思う?」
「・・・」
さらに後日談があります。
その学生は大手素材メーカーの最終面接前にキャリアセンターに相談に行ったのですが...。
なんと、最終面接では、まさにこの質問をされたそうです。
その時、彼は原発について条件付きで肯定し、付き合い方について述べ、
その素材メーカーの果たすべき役割などにも具体的に言及し答えました。
結果、内定が出たそうです。
自分の意見を持とう
別に原発に賛成しろと言っているわけではないですし、
ましてや原発問題についてこのコラムで論じたいわけではありません。
何が言いたいのかというと、原発問題に限らず、
時事問題について自分の意見を持つことが大切だということです。
そして、ビジネスの場ということで言うならば、感情論だけではいけません。
時事問題は就活でもよく聞かれる質問です。
これは、好奇心旺盛かどうか、物事をみる眼、ビジネス感覚、
そもそものその人の価値観などに関わる質問だと言えます。
正直なところ、多くの学生さんは「表面的な知識」を元に「感情論」か「一般論」を言うケースがほとんどです。
気持ちはわかるのですが、面接官の立場からみて「仕事ができそうな人」に見えますでしょうかね?
自分の意見を磨く7つのコツ
時事問題について、自分の意見を磨くコツは次の7点だと思います
1.情報感度を磨く
新聞(できれば2紙以上)、ビジネス雑誌(これもできれば2誌)は当然のこと、
テレビのニュースやドキュメンタリー番組に日常的に接する。
ニュースサイトや、オピニオンリーダーのブログやTwitterも。
2.ニュースについて「本当だろうか?」という姿勢を持つ
報道は、すべての情報が明かされないことや、偏っていることも。
「本当だろうか?」と疑問を持つ姿勢、大事です。
3.より深い情報源に当たる
関連する書籍、統計データなどに当たってみる。自分の足で稼ぐのが一番よい。
4.複数の視点から考えてみる
その問題は企業、個人、株主、国内の社会、国際社会にとってどうなのかという視点で考える。
あるいは、過去、現在、未来でどう変化するか、など。
5.「自分はどう思うのか?」を考える
あえて振り切ってYESかNOかを考え、その理由を考える。普段から自分の意見を発信するくせをつけておくとよい。
6.自分の意見に反論してみる
相手の立場にたって、どこがツッコミどころかを考え、反論できる材料を揃える。
7.メリットを明るく伝える
その意見に賛同することの相手、そして社会のメリットを考える。
別に選考対策というわけではなく、時事問題に関心を持ち、
自分の意見を言うことはビジネスパーソンの基本ですし、仕事にもきっと役にたちます。
ぜひ、習慣化しましょうね。
執筆者プロフィール
常見陽平@yoheitsunemi
評論家北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。
リクルート、玩具メーカー、クオリティ・オブ・ライフ(現在:フェロー)を経てフリーに。
雇用・労働、キャリア、若者論などをテーマに執筆、講演に没頭中。
2015年4月 千葉商科大学に新設された国際教養学部の専任講師に就任。
著書多数。