今こそ、自分の就活を見直そう

2011.3.25  1372Views

こんにちは、常見陽平です。




震災で混乱する採用時期 分散化が顕著?








大震災に伴い、採用スケジュールの延期が各社から発表されています。


HRプロ株式会社による
「東北地方太平洋沖地震の新卒採用に関する影響 情報共有・交換アンケート調査第2弾」調査の速報値(2011年3月22日時点)
では次のようになっています。


「東北地方太平洋沖地震の新卒採用に関する影響 情報共有・交換アンケート調査第2弾」


・6月以降に全体の選考時期を延期 6.5%
・4~5月の間で全体の選考時期を延期 14.8%
・時期は未定だが全体の選考時期を延期 13.9%
・被災地域の学生のみ別途対応 13.0%
・4月からの選考を延期せず予定通り行う 9.3%
・すでに選考を開始しており、予定通り行う 11.1%
・すでに選考を開始していたが、今後の選考を延期する 11.1%
・すぐには決めず、今後の状況を見て判断する 13.0%




まだサンプル数も多くないのですが、
これによると6月以降に全体の選考時期を延期したのは6.5%程度となっています。
ただし、新聞などでも報道されているとおり、大手企業は6月に本選考スタートという企業が多いようです。


被災地の学生だけでなく、停電やそれに伴うダイヤの見直しなどにより普段のように活動できない学生は多数です。
また、実家が被災したという学生も。


企業でも人事部は、震災に伴う対応に追われていますし、
新入社員も入ってくるので新卒採用延期はやむなしという部分もあります。


中には、「早く内定を出して、学生を楽にしてあげたい」という企業もあります。


そう、就活の早期化はいつも問題になりますが、
後ろだおしにしたところで、学生は必ずしも救われません。


早く内定を出した方が学生生活は充実するという側面もありますし。


そうこうしているうちに、学生から内定報告が入ったりします。
本当、採用時期の問題は悩ましいですね。






今こそ、就活の中間レビューをしよう






全体では延期傾向が顕著で、就活生にとっては、少し時間ができたとも言えます。
明会や選考も延期・中止になっていますからね。


今、するべきことは何でしょうか?
これから数回に分けて考えてみたいと思います。


何よりも取り組んでもらいたいのは、今までの就活の振り返りをすることです。


これまで、何を考え、どう行動してきたのか、そこからわかったことは何かということです。
例えば、現在の第一志望の企業は、就活を始めた時期と違うはずです。


あるいは、第一志望の企業は変わらないとしても、志望する理由は変わっているはずです。


さらには、説明会やOB・OG訪問、選考などで好印象だった企業や人があったはずです。
なぜ、そう感じたのでしょう?
ここも振り返りたいところです。


選考が途中まで進み、残念ながら落ちてしまった企業もあることでしょう。
失礼ですが、なぜ、落ちてしまったのでしょう?
その理由を具体的に振り返りたいところです。


2、3時間でも構わないので、ぜひ、自分の就活を振り返ってみましょう。
自然に、自分の課題に気づいたり、知りたいと思うことがわきあがってくるかと思います。
時間はあります。課題克服と情報収集に励みましょう。




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さいごに








正直なところ、2012年度の就活生と会っていると、これだけ環境が厳しいと言われているにも関わらず、
昨年と比べて考えと行動が甘く、ゆっくりだなという印象を受けました。


率直に言うならば、このまま受けても厳しいと感じる瞬間がよくありました。


自分を見直すよい機会です。
いまこそ立ち止まって就活を振り返ってみましょう。


執筆者プロフィール

常見陽平

常見陽平

評論家
北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。
リクルート、玩具メーカー、クオリティ・オブ・ライフ(現在:フェロー)を経てフリーに。
雇用・労働、キャリア、若者論などをテーマに執筆、講演に没頭中。
2015年4月 千葉商科大学に新設された国際教養学部の専任講師に就任。
著書多数。