エントリーシートの出来は「取材力」で決まる

2011.2. 1  3465Views

こんにちは、常見陽平です。


今回はエントリーシートについてです。


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画一化するエントリーシート






エントリーシートは、いつも画一化します。
自己PRにおいても、志望動機においても面白いくらい、皆、同じことを書いてきます。




なぜでしょう?




大きな要因は「情報源が画一化しているから」です。


企業のホームページの採用コーナーに書かれている情報、会社説明会で得た情報など、
普通の学生が接する情報源は同じなのです。


そして、皆、企業の人事が伝える「求める人物像」を鵜呑みにするので、
自己PRのポイントまで似てしまうのです。


もちろん、これらの同一の情報源だったとしても、
「就職ナビサイトの情報を赤く染めろ!」でご紹介した「情報を真っ赤にする」やり方や、
説明会で個別に質問をするなら別ですが。




自分の能力に自信がある人、器用な人はこれでも説得力のあるエントリーシートを書けるのですが、
「普通の学生」なら足で情報を稼ぎ、説得力のあるものに仕上げたいです。




気になる企業を取材をしよう






オススメなのは、なんと言っても社員の話を聞くこと、会社を観察することです。
いわば「取材」が必要なのです。


例えば、会社説明会で質問をしてみる、OB・OG訪問をしてみる、
店舗を見学してみるなどは有効です。


これを競合企業と比較するとさらに違いがわかるでしょう。




そして、やや勇気がいりますが、「突撃取材」をしてみるのも手です。


会社の付近に行き、昼休みに社員が出てくる際に、
「○○大学の○○です。御社を志望している就職活動中の学生なのですが、
1つだけ教えて頂けないでしょうか?」
と声をかけるのです。


もちろん、忙しそうな人には空気を読みつつ声をかけるのをやめましょう。
また、無理にお願いするのはダメです。
ただ、1問だけなら、意外と答えてくれるものです。




都内女子大に通う学生は優良企業として知られる工作機器メーカーにどうしても行きたいと考え、
突撃取材しました。
社員は快く応じ、説得力のあるエントリーシートを書けたそうで、現在は面接に進んでいるそうです。




質問内容も工夫しよう






なお、質問内容としては、社員にしか聞けないことに絞るとよいでしょう。


その企業で優秀だと言われる人はどんなタイプの人か、競合他社と比較した強みは何か、
仕事をしていてその企業らしいと感じることは何か、企業の現在の重点戦略などです。






情報源の差別化で説得力のあるエントリーシートを仕上げましょう。


執筆者プロフィール

常見陽平

常見陽平

評論家
北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。
リクルート、玩具メーカー、クオリティ・オブ・ライフ(現在:フェロー)を経てフリーに。
雇用・労働、キャリア、若者論などをテーマに執筆、講演に没頭中。
2015年4月 千葉商科大学に新設された国際教養学部の専任講師に就任。
著書多数。