企業研究に役立つ!IR情報の見方
2012.6.18 69508Views
こんにちは、編集部スタッフです。
今回は、企業研究をする時に知っておきたい、IRの見方をお伝えします。
IRとは?
IRとは、インベスター・リレーションズ(Investor Relations)のことであり、投資家に対する広報活動のこと。企業を投資対象として捉える投資家が増えるとともに、経営判断の妥当性やその根拠を、企業側から投資家に対して広く明確に伝える必要性・責任が高まっています。
IRは、企業の財務状況や経営状態を投資家に(基本的には)嘘偽りなく伝える必要があるため、業界に詳しくない人でも分かるように書かれていることが多いです。
上場している企業であれば、HP上にIR情報を掲載しています。
(非上場の場合は企業側に業績等の開示義務がないため、多くの企業は掲載していません。)
まずは、気になる企業のIR情報ページから見てみましょう。
就活生にとってIRを見るメリットは?
IRを見ると、次のことが分かります。
●説明会や人事からの話では分からない客観的な事実を知ることができる
(財務状況や経営状態など、説明会では話されないことも分かる)
●企業が今後どういう戦略を取るのかが分かる
今や、有名な大手企業だからといって経営が安定しているわけではありません。
ネームバリューに隠れて見えていない客観的な事実を知ることは、大事になことです。
また、良いことしか言わない説明会も多いため、日陰の部分を知らずに面接や入社に至ることも。
しっかりとした判断をするためにも、客観的な事実は知っておきましょう。
IRの見方
1.企業HPにある、「投資家情報(IR情報)」を開く
開くとたくさんの情報が掲載されていることが分かります。
2.決算報告を開き、年間決算の説明会資料を見る
IRには色々な情報が掲載されていますが、まずは説明会資料を見てみましょう。
決算の説明会資料は対外向けに作成されているため、比較的分かりやすい内容になっています。
3.見る際のポイント
説明会資料には、以下の内容が記載されています。
この4つのポイントを参考に、資料を見ていきましょう。
●売上高・・・直近でどういう変化があるか
●営業利益、経常利益・・・プラスかマイナスか、どういう変化があるか
-(事業部ごとに数字が出ているのであれば)好調な事業、そうでない事業はどれか
●好調な/不調な要因を企業は何と捉えているか
●次の年度はどのような戦略を取ると考えているのか
また、業績ハイライトは、直近の売上や利益を棒グラフ等で分かりやすく伝えています。
IRで掲載されている場合には、見ることをオススメします。
あくまでも参考に
大事なことは、数字だけで判断せず、企業研究の参考にとどめておくことです。
IR資料の表面だけを読み取って理解した気になり、面接で「御社のここが悪い」と指摘してしまうのはもってのほか。
直近2年間の売上が落ち込んでいても、たまたま落ち込んでいただけで今後盛り返す可能性もあります。逆もしかりで、直近2年間の売上が良くても、特需のようなものが働いているだけで、長続きしない可能性も。
例えば、売上が昨年と比べて大きく変化がないのに、営業利益や経常利益が回復している場合、大幅なコストカットをした可能性もあります(リストラや子会社・資産売却等)。基本的に、売上が上がると利益も上がります。数字を見ていて疑問に思ったら、IR資料や有価証券報告書を読みこんでみると理由が書いてあります。見逃さないようにしましょう。
なぜ売上が落ち込んでいるのか/伸びているのか、今後売上が回復する見込みがあるのか/好調は長続きするのか、をIR資料や業界情報から読み取り、判断していきましょう(なかなか難易度は高いですが...)。
企業の財務状況を調べるには、外部サイトの企業価値検索サービス「Ullet」もオススメです。企業同士の比較も出来ますし、周辺情報(ニュースや株主等)も知ることが出来ます。
いかがでしたか。
最初は抵抗があるIRも、何度も読むとコツがつかめてきます。
まずは、気になる企業のIRから見ていくようにしましょう。