業界研究:人材業界編

2012.2.24  13225Views

こんにちは、就活の栞編集部です。

今回は人材業界についてです。

人材業界を志望する人が増えてきました。
外からみると分かりづらい人材業界を解説していきます。

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人材業界について



人材業界は、企業の人事・採用関連の課題解決を提供するサービスを行っています。
ここでいう課題解決は、人です。
企業にとって大事な「ヒト・モノ・カネ・情報」の「ヒト」の側面から解決していきます。

規制緩和や転職市場の拡大により、人材業界は2000年に入って拡大しました。しかし、2008年のリーマンショックにより、製造業を中心とした雇い止めや中途採用活動の中止が起こり、業績を大幅に落とす企業が多くありました。
現在は、市場全体の景気の持ち直しにより、業績を回復してきています。

人材業界は大きく分けて4つのカテゴリがあります。それぞれ見ていきます。


人材派遣



人材派遣とは、「派遣元となる派遣業者に登録している者を、派遣先となる事業所へ派遣して、かつ派遣先の式命令のもとで労働サービスを提供する雇用形態のこと」(wikipedia)です。

1986年に労働派遣法が制定され、当初は派遣が許されるのは専門的な限られた業務のみでしたが、1999年には「禁止業務以外のすべての業務に派遣できる」という形になり、市場が拡大しました。
人材派遣でも、エンジニアや設計者等の技術者派遣、一般事務等の事務派遣、1日や短期間の日雇い派遣などがあります。
しかしながら、偽装請負などの問題化などから急成長や規制緩和のほころびが見え始め、各社が個人や企業、そして社会にどう付加価値を提供していくか、模索しています。

人材派遣は、派遣会社が個人を雇用し、契約した企業へ個人を派遣するものです。
派遣された個人は、契約企業の決められた業務に従事します。派遣会社は、派遣契約によって契約企業と派遣料金を決めており、派遣会社から個人へ給料が支払われます。

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派遣を個人が利用するメリットとしては、専門的なスキルが活かせる(技術者派遣等)、時間や勤務地がライフスタイルによって選べる、等があります。


派遣会社の営業のミッションは、派遣社員を定着させること、派遣社員の満足度をあげて業務の質を高め、契約企業に派遣社員の枠を増やすことです。
1つの企業に複数の会社が派遣していることも多いため、いかに"席"を拡大するかがポイントとなってきます。

◆代表的な企業:テンプホールディングス、パソナ、フジスタッフ、フルキャスト、メイテック、アデコ、リクルートスタッフィング


求人広告



求人広告は、正社員や契約社員、アルバイトと、それぞれの領域での採用活動を広告によって解決するものです。いわゆるリクナビやマイナビが該当します。

媒体はそれぞれ特性を持っており、新卒採用向け、中途採用向け、事務向け、アルバイト向け等などと分かれます。
求人広告の営業は、採用を考えている企業へ訪問し、広告枠を提案します。受注に至ると、どんな採用ターゲットに、どんなメッセージを発信するかを人事と共に考えて企業の魅力を抽出し、広告を作成します。広告掲載後、採用結果を持って、次回の継続受注へ繋げていきます。


求人広告営業仕組み.jpg
※サムネイル画像です。クリックすると拡大します。

◆代表的な企業:リクルート、リクルートHRマーケティング、エンジャパン、マイナビ、インテリジェンス(DODA)等


人材紹介



人材紹介は、転職支援サービスを通じて企業と個人を結びつけるものです。
個人側、企業側と分かれ、企業側を担当するリクルーティングアドバイザー(RA)が企業を訪問して求人情報や求める人物、採用計画のヒアリングを行って求人票を作成します。
個人側はキャリアアドバイザー(CA)が転職を希望する個人の希望や職歴、志向性を聞いたうえで求人を紹介し、RAと情報交換しながら、選考をサポートする仕事です。
成功報酬であり、個人の内定が決まって内定を受諾し、入社するとお金が発生します。


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会社の規模によって、RAとCAが分かれるケースと、1人でRAとCA両方担当するケースがあります。

◆代表的な企業:リクルートエージェント、インテリジェンス、JAC、パソナキャリア等


人事コンサルティング



人事コンサルティングは、人事の課題に対して解決方法を提案します。
解決法は様々で、人事に入り込んで人事制度や採用、研修制度から一緒に考えていくものから、採用や給与計算の一部をアウトソーシングで請け負うものまで様々です。

◆代表的な企業:リンクアンドモチベーション、タワーズワトソン、レジェンダ、トライアンフ等