メーカーと商社の違いとは?
2011.7.26 634214Views
皆さんは商社とメーカーの違いって分かりますか?
商社もメーカーも就活生に人気ですが、それぞれについて理解が不足していたり、 混同してしまったりする方も多いです。
そこで、本日は商社とメーカーの基礎知識と両者の違いについてご紹介していきます!
1.メーカーという括りは広すぎる?!
最初に、メーカー(製造業)の定義を確認しておきましょう。
メーカーとは、 「原材料などを加工することによって製品を生産・提供する産業」(Wikipediaより) のことを言います。
何かを作っていればメーカーと呼ばれるので、製造するのが食品でも航空機でも、「メーカー」と呼ばれます。
しかし、これだけだと分かりにくいですね。。
そこで私がおススメするのは、メーカーを川の流れに例えて「上流・中流・下流」と分類するやり方です。
自動車産業を例に、一つの製品が完成するまでに様々な産業が関わっていることを実感してみましょう。
<上流産業=素材産業>
上流産業は素材を作ります。
自動車に必要な鉄(鉄鋼産業)や銅(非鉄金属産業)、ガラス(硝子産業)やプラスチック(石油産業)などの素材を製造するメーカーがここに属しています。
<中流産業=部品産業>
上流産業が作った素材を使って自動車の部品を製造する産業(自動車部品産業)です。
配線コードからエンジンに至るまで数万点にも及ぶ部品が作られます。
タイヤ産業、ベアリング産業、電子部品産業など挙げればキリがありません。
<下流産業=自動車メーカー>
皆さんお馴染みの自動車メーカーは下流産業に属します。
自動車メーカーが全ての部品を作り、組み立てていると思われている方も多いかと思いますが、自動車1台が完成するまでに様々な業界が関わっています。
このように、メーカーにも様々あることを覚えておきましょう。
また、上流・中流・下流という分類も就活で役立ちますので、参考にしてみてください!
2.商社とは?
続いて、商社について見ていきます。
メーカーに劣らず定義がしにくいのですが、商社とは、「輸出入貿易ならびに国内における物資の販売を業務の中心にした、商業を営む業態の会社」(Wikipediaより)のことです。
「カップラーメンから飛行機まで」と様々な事業・サービスを展開する総合商社(一般的には全部で7社)と、それぞれの得意分野に特化した専門商社があります。
各々の企業によって得意分野が異なりますが、ビジネスコーディネーターとして企業の活動を様々な機能(情報、金融、物流、経営指導など)を支える役割を担っていることが多いです。 元々の商社の役割を図で説明します。
食品商社の場合。
数万とある商品を数十万以上の小売店へ納入するのは一メーカーでは大変なことです。
そこで、商社が間を取り持ち複数の食品メーカーの商品を取り扱い、複数の小売店へ卸していました。
ただ、現場やお客様の声を直接聞くためと、自社の商品をより優位にするために、メーカー側も営業を持ち、小売店へ営業をかけるようになりました。
そのため、物を流すだけであった商社は立場が危うくなってしまいました。
そこで、商社も付加価値を付けるべく、商社自体がOEM(他社工場を使い、自社製品を製造すること)機能を持ち、メーカーと同じように生産出来る体制を作り上げたり、専門特化した知識を用いてコンサルティングを行ったりと、事業の幅を広げ時代に適応するよう変化しています。
最新〈業界の常識〉よくわかる商社(日本実業出版社)
3.商社とメーカーの違いは?
さて、それぞれの業界について少し基礎知識がついてきましたね。
ですが、なぜこの全く違う2つのメーカーと商社が就活生に混同されがちなのでしょうか。
それは商社が世界中もしくは国内に張り巡らせている情報網で得た情報を用いて、メーカーの資材調達や営業活動のサポートをしているからです。
例えば、部品メーカーでは独自に調達先の確保を行うこともあるのですが、資源メジャー(鉄や銅など鉱山経営を行っている海外企業)や顧客などとの関係は商社の方が良好であることも多いため、メーカーはパートナーとして商社と仕事を進めます。
メーカーと商社はこのように非常に密接な関係にあります。
また、前述のとおりメーカー機能も持ち合わせる商社も増えてきているため、境目が曖昧になっているのも分かりずらくなっている一因です。
さいごに
いかがでしたでしょうか。
先ほどご説明したメーカーと商社との密接な関係などから、 メーカーと商社を混合してしまう方がいらっしゃるようです。
ですが、ものづくりを行うメーカーとそれを補佐する商社の役割は異なります。
選考が進んでから理解不足を指摘されてしまう前に、それぞれの詳細をしっかりと勉強しておきましょう!
業界・企業研究に関しては、次の記事も参考にしてみてください。
<参考記事>
それでは、また。
(ライター:KSG 「就職活動支援サークル よこりく」代表)