業界研究:不動産・建設業界
2011.1.24 17146Views
こんにちは、編集部スタッフです。
今回は不動産・建設業界について書いていきます。
不動産・建設業界とは?
不動産とは、土地やその定着物(建物等)のことを指します。
業界全体は、10兆円規模であり、
トップは三井不動産、2位三菱地所、3位住友不動産と続きます。
業界として色々な業態がありますので、それぞれについて簡単に解説します。
◆デベロッパー
開発業者。大規模な宅地造成やリゾート開発、再開発事業、
オフィスビルの建設やマンション分譲といった事業の主体となる団体・企業のことを指します。
例)三菱地所:三菱グループの中核企業・旧三菱グループが開発した東京の大手町・丸の内・有楽町に
30棟以上のビルを所有。
◆売買仲介
家を売りたい売主と、買いたい買い主の中を取り持つ仕事。
顧客は個人もいれば、法人(保有ビル等)もおります。
例)野村不動産アーバンネット、東急リバブル
◆賃貸仲介
売買仲介と同じく、家を貸したい貸主(オーナー)と、家を借りたい借主の
中を取り持つ仕事です。
例)エイブル、センチュリー21
◆住宅メーカー
住宅の建築を行う。
住宅展示場に自社製品を展示し、出来あがった実物を見学できるスタイルを取っている。
例)ダイワハウス、ミサワホーム、積水ハウス、
◆マンション販売
デベロッパーなどが建設した新築マンションを販売する業者のこと。
マンション建設地の近くにモデルルームを建て、そこで一定期間販売を行います。
◆マンション管理
マンションに住む住民が円滑に生活をおくれるように、
またマンション自体の資産価値を維持するために行う業務のこと。
例)野村リビングサポート
◆プロパティマネジメント
不動産に関する資産の管理を行う業務のこと。
具体的な業務としては、建物の物理的な維持・管理、ビルなどの中に入るテナントの誘致、
交渉、賃貸借業務の代行、賃料・共益費などの請求等を行います。
例)ザイマックス、三菱地所プロパティマネジメント
◆ゼネコン
元請負者として各種の土木・建築工事を一式で発注者から請負、工事全体のとりまとめを行う業者のこと。
総合建設業と呼ぶが、英語のGeneral Contractorを略してゼネコンとも呼ぶ。
例)鹿島建設、清水建設
◆建築資材会社
建築物を建てるために使用される材料(屋根や壁、床、ドアや窓のといった建具等)
を扱う会社のこと。
これらは、それぞれ独立するのではなく、
特に大手はお互いに関連しながら成り立っている会社が多いです。
例えば、分かりやすい例で、三井不動産グループを上記に当てはめてみます。
・デベロッパー:三井不動産
・マンション販売:三井不動産レジデンシャル
・売買仲介:三井のリハウス
・賃貸仲介:レジデントファースト(高級物件)、三井ホームエステート
・住宅メーカー:三井ホーム
・プロパティマネジメント:三井不動産住宅リース
・マンション管理:三井不動産住宅サービス
例えば、マンションを建設して売る場合。
企画を行うのがデベロッパーである三井不動産(売主)。そして建設はゼネコンに依頼し、
必要な資材は建築資材メーカー(もしくは商社)に注文し、
建設後の販売は三井不動産レジデンシャルが行います。
そしてマンションの維持のために三井不動産住宅サービスがマンション管理を行い、
マンション内にテナントがあるのであれば、テナント誘致を三井不動産住宅リースが行い、
資産価値を高めるよう動きます。
その購入者個人がマンションを売りたいとなれば、売買仲介である三井のリハウスが買い主を探し、
賃貸に出したいとなれば、三井ホームエステートが賃貸仲介を行います。
(購入者個人の契約なので、三井である必要はないのですが説明の便宜上)
宅地建物取引主任者
宅地又は建物の売買、交換又は貸借の契約が設立するまでの間に、
重要事項の説明等を行う国家資格のことです。
年に1回(10月)に行われ、合格率は15~17%程度を推移しています。
マンション販売のモデルルームでは事務所に1人いればいいとなっており、
不動産に関わる人全てが取る必要がある資格ではないのですが、
入社先から取るように言われるケースが多く、
不動産に関わる人の最初の関門となる資格ではあります。
現状
不動産市場は、2008年途中まで都心部のオフィス需要もあり好調でありましたが、
2008年夏頃から一気に市場が変化し、倒産する会社も出始め、
秋の金融危機から全体的に不振に陥りました。
新築も不振に陥ったことから、今ある物件の価値を高めようとの動きが活発になり、
プロパティマネジメントの重要性も見直されています。
現在は、新築マンション数もようやく増えてきており、
徐々に回復基調を見せ始めています。