リクナビ2015『地獄のミサワ』CMで考えた、「便利な就活」のジレンマ
皆さん、こんにちは。常見陽平です。お久しぶりです。
これから、この連載は隔週のペースで書きますね。今後ともよろしくおねがいします。
さて、今日のテーマです。
リクナビ、機能強化の謎
昨日、Twitterでまわってきたのですが、リクナビのCMが話題のようです。
CMキャラクターは『地獄のミサワ』です。そして、訴求しているのはリクナビの新機能、『OpenES』と『就活マネージャー』です。
前者はいわゆる、共通化したエントリーシート、後者は総合的なスケジュール管理ツールです。
リリース文はこちらです。
前者については、この記事で意見を書きましたので、ご覧ください。
●就活エントリーシートを共通化しても学生は救われないと識者(NEWSポストセブン)
要するに、機能強化と学生の負荷軽減はいいことなんでしょうけど、学生が何社も受けて、落ちて、疲れるという構造はちっとも解決されませんということです。
まあ、これはリクナビさんのせいではないかもしれませんが、応募数の肥大化による、学歴差別対応など、不透明なことがますます増えることも懸念されます。
要するに、便利だけど大変なリクナビ型就活の構造はまったく変わらないわけです。
どうでもいいですが、このリリース文にある、「エントリーシート作成は平均1530分!」というのは実に巧妙な煽りです。
先ほどのNEWSポストセブンの記事で触れましたが、リクルートキャリアの調べによると学生のエントリーシート平均提出数は22社。
データを取った対象が違うので、やや乱暴な試算ではありますが、割り算すると、1社あたり約69.5分です。
1時間ちょいじゃないですか。いや、十分な負担ではあります。
ただ、1530分!と書かれると、随分印象が違いますねえ。
『就活マネージャー』については、学生の囲い込み強化施策だと認識しました。
これにより、完全に学生をリクナビのシステムに取り込むという発想なのでしょう。
リクナビが普及した背景には、企業の採用活動、学生の就職活動にシステムとして入り込んだとことがあげられます。
学生側の活動にさらに入り込もうというわけでしょう。
これは推測ですが、これでより学生の行動パターンを把握できるようになるのではないでしょうか。
企業への提案に活きそうですね。
というわけで、就活の負荷が軽減されるのは良いことですが、リクナビ型就活の問題はちっとも解決されないのではないか、結局、リクルートさんの手のひらの上で踊らされるだけではないかと思った次第です。
ところで、なぜに『地獄のミサワ』なのか?
もう一つ気になったのは、率直にこのCM、不愉快です。
面白くないんですよ。自分たちが加担してきた世界に対して、まったく反省していないというか。
そもそも、『地獄のミサワ』は人気があることはわかるのですが、学生に受けるのでしょうか。
一方、ひたすら機能訴求型というのも面白いポイントではあります。
これまで、リクナビがCMを流すときは、「就活を頑張ろう」的な応援メッセージが中心であり、やや偽善的な臭いも感じてしまったわけですが。
まあ、今後、その手のメッセージのCMが控えているのかもしれませんが。
というわけで、いろんな意味で気持ち悪いなと思った次第であります。
学生はこういう大人の事情はわかりません。
ただ、一見すると便利そうなものの上で、自分たちが踊らされているということに気づいてください。
なお、リクナビの功罪については最新作、
『「就社志向」の研究 なぜ若者は会社にしがみつくのか (角川oneテーマ21) 』 で1章かけて論じているので、よろしければご覧ください。
[PR]11/6開催、就活生応援イベント「就活ホンネ塾」に常見陽平が出演します
皆さん、こんにちは。常見陽平です。
今日はイベント出演のお知らせです。
テレビ東京、TOKYO FM、オールアバウト、DNP大日本印刷が主催する、就活生応援イベント「就活ホンネ塾」に出演します。MCはテレビ東京の大橋未歩アナウンサー!TOKYO FM「TIME LINE」のコメンテーターである伊藤洋一さん(エコノミスト)、岸博幸さん(慶応義塾大学大学院 メディアデザイン研究科教授)と一緒に出演しますよ。2013年11月6日(水)の夜です。
私は、イベントではホンネしか話しません。これから就活を迎える皆さん、ぜひご来場ください。
お申込みはこちらから。
以下、告知サイトからの抜粋です
就活生応援イベント「就活ホンネ塾」開催!
テレビ東京、TOKYO FM、オールアバウト、DNP大日本印刷。
テレビ、ラジオ、ネット、書籍といった各種メディアを通じて、日々生活者に役立つ情報を発信している4社は、12月から企業の採用広報活動が開始されるのに先立ち、働く現場の実態および、厳しい就活戦線を乗り越えるための処世術を指南し、大学生の就職活動を支援するイベントを合同で企画しました。
■就活生応援イベント「就活ホンネ塾」
イベント当日は、TOKYO FM「TIME LINE」コメンテーターの伊藤洋一氏&岸博幸氏、著述家の常見陽平氏といった"就活のスペシャリスト"によるトークセッションのほか、テレビ東京アナウンサーの大橋未歩氏が"好印象を持たれる話し方"をレクチャーするコーナーなど、学生視点に立った実践的コンテンツを多数展開します。
12月から本格的に就活がスタートするのに先立ち、働く現場の実態および、厳しい就活戦線を乗り越えるための処世術を"その道のスペシャリスト"から学びましょう。
また当イベントの開催にあわせて、様々な連動企画もスタートします。
参加申込いただいた皆様には随時お知らせいたしますので、お楽しみに!!!
■イベント開催概要
・日時:2013年11月6日(水) 18:30 ~ 20:30 (18:00受付開始)
・定員:100名
・会場:コミュニケーションプラザ ドットDNP 2階イベントゾーン
(東京都新宿区市谷田町1-14-1DNP市谷田町ビル)
・登壇者:大橋未歩 (テレビ東京アナウンサー) / 伊藤洋一(エコノミスト/TOKYO FM「TIME LINE」コメンテーター) / 岸博幸(慶応義塾大学大学院 メディアデザイン研究科教授/TOKYO FM「TIME LINE」コメンテーター) / 常見陽平 (著述家、News Digブロガー)
・参加費用:無料
・応募資格:2015年新卒入社予定の大学生、大学院生
※注)
・参加は先着順により受付をいたします。また、受付時に「学生証」の提示を義務付けさせていただきます。
・なお当日は報道機関が入ることが予想されます。
以上のことを予めご了承ください。
■アジェンダ
1.トークセッション
・リアルな環境分析
・昨今の採用の現状~2015年卒就活戦線の見通し
・採用にまつわる残酷なルール
2.学生を交えたディスカッション
「働くことの意味をどうとらえているか?」
・仕事にやりがいを求めるか
・ジョブ型かメンバーシップ型
「自分に合った会社はどんな会社か 具体的に働きたい会社はあるか」
3.まとめ、質疑応答
4.テレビ東京・大橋アナウンサーによる、好印象を持たれる話し方レクチャー
【登壇者のプロフィール】
■大橋未歩 テレビ東京アナウンサー
2002年入社。入社から約7年間スポーツニュースを担当。一方で「やりすぎコージー」や「極嬢ヂカラ」などエッジの効いたバラエティ番組の司会で好評を博した。世界卓球PRのための、女子アナユニット「ピンポン7」のリーダーや民放オリンピック中継のPRでも在京5局の代表の一人として3大会連続して選ばれている。
2011年3月から2012年4月まで不定期で放送していた「大橋未歩のシューカツ魂!」を自ら企画するなど、就活には並々ならぬ関心を持つ。現在の主な担当番組は「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!」「やりすぎ都市伝説」。著書に「逃げない力」など
■伊藤洋一 エコノミスト/TOKYO FM「TIME LINE」コメンテーター
三井住友トラスト基礎研究所主席研究員。 金融市場からマクロ経済、特にデジタル経済を専門とする。 東京新聞、共同通信社、日経ビジネス(書評)などに定期寄稿。著書に『ITとカースト:インド・成長の秘密と苦悩』、『上品で美しい国家』、『日本力』など多数。
■岸博幸 慶応義塾大学大学院 メディアデザイン研究科教授/TOKYO FM「TIME LINE」コメンテーター
元経済産業省官僚。IT・メディア研究の草分け。 ヒト・モノ・コトをズバリ辛口で斬る!
1986年通商産業省入省。小泉内閣の竹中平蔵経済財政政策担当大臣のもと、補佐官、政策担当秘書官を歴任。経産省退官後、慶應大学で教鞭を執り、現在は慶應大学大学院メディアデザイン研究科教授。 エイベックス・マーケティング取締役を務める。 所謂"脱藩官僚"として、メディアに多数出演。
■常見陽平 著述家、News Digブロガー
1997年 株式会社リクルート入社。通信事業、とらばーゆ編集部を経て、トヨタ自動車との合弁会社である株式会社オージェイティー・ソリューションズ設立に参加。帰任後はじゃらんnet編集部にて営業企画を担当。2005年に玩具メーカーに転じ、新卒採用を担当。2009年に株式会社クオリティ・オブ・ライフに参加。企業の新卒採用や、大学のキャリア教育や就職支援のコンサルティングを行う他、講演・執筆活動に没頭。2012年 株式会社クオリティ・オブ・ライフを退社 フェロー就任。また、HR総合調査研究所 客員研究員に就任。一橋大学大学院社会学研究科修士課程にひっそりと在籍中。執筆・講演の専門分野は就活、転職、キャリア論、若手人材の育成、若者論、サラリーマン論、社畜論、ノマドワーク、仕事術など。
<各社のサービス紹介>
■「All About News Dig」について
さまざまなニュースを「Dig(深堀)」するブロガーの意見を集約したサイト。気になるニュースに対して、All Aboutガイドやライター・評論家といった"専門家"と、編集部の審査に通った一般ブロガーなど"事情通" が見解や持論を展開。All Aboutガイドと編集部が厳選した上、紹介します。
■「honto」について
DNPグループの株式会社トゥ・ディファクト(本社:東京都品川区、社長:加藤嘉則)が運営するハイブリッド書店サービス「honto(ホント)」は、書店と通販サービス、電子書籍ストアがひとつになったサービスです。提携書店や各ストアで貯めて・使えるポイントサービスや本好きのための様々なサービスをご用意しています。
■「テレビ東京ビジネスオンデマンド」について
「ワールドビジネスサテライト」「ガイアの夜明け」など、テレビ東京系列で放送中の経済報道番組を、PCやスマートフォン、タブレット端末で日本全国いつでもどこでも月額500円見放題(税別)でご覧いただけるサービスです。就活には欠かせない生の情報が満載です。
■TOKYO FM 「TIME LINE」について
様々な出来事の背景を探り、SNS等との連携による複眼的な感性で、"今日のニュースと考えるヒント"を捉えるニュースワイド番組。 毎週月曜日~木曜日 18:54~19:54、半蔵門本社スタジオより生放送。
曜日ごとに、(月) 1・2週目 星浩 /3・4週目 島田雅彦 (火)岸博幸 (水)上杉隆 (木)伊藤洋一が出演。
[PR]「成長は誰とやるかで決まる!」誰もが尊敬するすごい営業マンが創った会社で働いてみよう
皆さん、こんにちは。常見陽平です。
今日は、皆さんに、私の先輩がつくった企業、スマートソーシャル社をご紹介します。
元リクルートのトップ営業マンが社長です。
この企業のインターン生たちは、非常に充実した日々を送り、成長し、納得のいく就活ができたと言っています。
そして、いま、ちょうどアルバイトを募集していますので、下の募集内容をチェックしてみてください。
私はリクルート出身です。
リクルートは、新規事業の創造力もそうですが、営業力でも有名な企業です。
リクルートには、「すごい営業」と言われる人がたくさんいました。彼らは単に高い営業目標をクリアし続けるだけではありません。
顧客の課題を深いレベルでつかみ、解決します。また、現場で見つけたニーズを商品・サービスにフィードバックし、進化・深化させます。
元リクルートのトップ営業マンを名乗る人はたくさんいますが、中には怪しい人もいます。
ただ、スマートソーシャルの社長の酒井さんは別格で、デキる営業マンでした。
彼はいつも顧客に入り込み、課題を掴み、大きな提案をし、高い営業目標をクリアし続けてきました。
後輩の育成も抜群に上手かったです。
そんな酒井さんの会社が、学生の営業アルバイトを募集します。
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共に日本のIT業界を盛り上げていくお仕事です。
IT事業、人材事業に興味があり、 ベンチャー企業で一緒に事業を創っていける方の ご応募をお待ちしております!
【募集要項】
▼勤務先
スマートソーシャル株式会社
▼募集職種
営業職(人材事業部)
※学生歓迎
▼仕事内容
・顧客人材ニーズのヒアリング
・人材のご提案
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▼求める人物像(必須ではありません)
・IT業界、人材業界に興味のある方
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※コミュニケーション能力の高い方大歓迎です
※平日で週3日以上、15時間以上勤務できる方
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▼労働条件
・勤務地:東京都新宿区西新宿7-11-3 平田ビル二号館
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・勤務:月-金、10:00~19:00 のうち週3日以上、15時間以上働ける方(応相談)
※完全週休2日制(土・日)、祝日、夏期休暇、年末年始休暇、慶弔休暇
・採用予定人数:1名
・給与:時給1,000円 (交通費別途支給、営業インセンティブ有)
・備考:設立当初より、早稲田大学・慶應義塾大学・明治大学等をはじめとした現役大学生が多数活躍しております!
▼応募情報
・応募方法:<info@smartsocial.co.jp>に、『お名前/所属(大学名)/連絡先/面談希望日』をご連絡下さい。
※担当窓口:人事担当 一和多(いちわた)
・面談:基本1回
<社内の様子>
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会社員と転勤、「来週から○○勤務」と言われたらどうするか
皆さん、こんにちは。常見陽平です。
会社員を辞めたのに「大阪勤務だ」と言われる夢をみた件
先日、変な夢をみました。
なぜか、リクルート時代に時間が戻り、転勤を言い渡される夢です。
『じゃらん』の担当として、大阪に転勤する夢です。
でも、時代が今と混じっていて、今のライターの仕事などもしていることになっているんです。
もちろん、妻は働いています。「え、いきなり大阪転勤って?」と戸惑い、ついには役員たちに抗議に行くのですが...。
このあたりで目が覚めました。
正直に戸惑いましたね。家庭もありますし、妻の仕事もありますし。
時代が混ざっているとはいえ、ライターの仕事はやはり東京の方がしやすいわけで。
まあ、夢なのですけどね。
ただ、会社員、しかも総合職として入社する場合、このように転勤というのはあるわけです。
最近では、国内だけでなく、海外ということもありうるわけですね。
縁もゆかりもない場所に行くということもあり得るわけです。
結婚していたりするとさらに家族も一緒に行くのかなどの問題も起こります。
子どもが進学していたり、配偶者の仕事の関係などで単身赴任をせざるを得ない場合もありますね。
そういえば、皆さんが生まれる前に流行った曲にユニコーン(奥田民生が在籍していたバンドです、2009年に復活しました)の「大迷惑」という曲があります。
まさに、奥様もいて、マイホームも手にいれたのに転勤を言い渡され、単身赴任をするサラリーマンの悲哀を描いた曲です。
転勤。これも皆さんが、数年後、直面するかもしれない課題です。
勤務地とどう向き合うか
私自身、会社員時代に名古屋への転勤を経験しています。
率直に、転勤を言い渡された時には、会社を辞めてやろうかと思いました。縁もゆかりもないエリアですから。
ただ、転勤先での仕事はエキサイティングでしたし、知らない街での暮らしもまた刺激に満ちていました。
転勤先のビジネスがどんどん大きくなっていきましたし、どんどん仲間が増えていったのも良い思い出です。
まあ、会社員の総合職のマイナス点として取り上げられる転勤ですが、これもまた、新しい体験ができる、社内外の人脈が増えるなどプラスの側面もあります。
とはいえ、家庭の事情などもありますし、「どこで働くか」というのは大事な問題であり。
さらに、ある地域でしか出来ないことも実際はあるわけで。
ITツールの普及で、場所や時間をこえた働き方はしやすくはなってきていますが。
グローバル化の時代であり、世界のどこへ行っても働けという話になるわけですが。
今後、どこで働くかということについて、個々人の要望が通りやすい社会がこないかと祈るのは、やや牧歌的でしょうか。
「どこで働くか」皆さんはこの点について、どう考えますか?